阻止限界点

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人生を豊かにするための大冒険(大放言)

最後の5分でお腹いっぱい【ローグワン・スターウォーズストーリー 】

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シリーズで一番疲れた作品

 これがローグワン鑑賞後の率直な感想でした。とにかく息つく暇がない。コメディシーンはほぼなし。ユーモアもお約束も散りばめられていますが、最初から最後まで笑えない状況の連続です。半分以上が宇宙および地上での戦闘シーンだったのではないでしょうか。IMAXで観たところ3D感は抑えめでしたが、空気感から小道具に至るまで、現代技術で美しく蘇ったエピソード4の世界になっていたので、そこは逆に好印象でした。

 その点ではエピソード1より(オリジナルに近いという意味で)違和感なくスターウォーズしています。

 

難点は弱いキャラクター描写

 主人公のジンはレイア姫、カシアンはハン・ソロ、元帝国軍ドロイドのK2はチューバッカを彷彿とさせます。しかし旧作を知らないとこの脳内補正が働かないため、K2以外はキャラ付けが弱いのではないかと感じました。

 幼いころに父親と生き別れたジンが、すぐに変なおっさんに助けられたと思ったら、次のシーンではいきなり収容所にいたりして。彼女が15年間、どんな生き方をしてきたかは、ほぼ視聴者に丸投げです。

 そもそも見た目がアミダラとレイアを足して2で割った雰囲気な上、母親がいなくて生き別れた父親が帝国軍のために働いている・・・というのはまさにレイア。最初薄暗い洞窟に逃げたり、カイバークリスタルのネックレスを着けているのを見ると、どうしてもフォースとの強い繋がりを期待してしまうのですが、そういったシーンはありません。

脇が甘い銀河帝国軍

 今作で描かれるのは、あのデス・スターの設計図を盗み出すというミッション。つまりクラッキングなんですが、帝国軍のセキュリティが意味不明すぎる。

 設計図がある保管庫が超目立つ建物なのを筆頭に、保管庫からのデータの取り出し方が面倒極まりないけど、取り出す行為自体には鍵も必要ない。

 取り出している最中に、アームの故障か何かで奈落に落としたら誰の責任になるんだろう。

 そしてデータは5インチHDDくらいのストレージに入ってて、シールド解除しないとデータを送れないくらい大容量だって言われてみんな必死に戦ったのに、最終的に薄っぺらいメモリチップに高速でダウンロードできていた。画面に出て来る設計図がエピソード2と4でおなじみのシンプルなワイヤーフレームだから、どうしても軽そうなイメージしか残らない。あんな大層な保管庫は本当に必要だったのだろうか。

 さらに保管庫頂上にはアンテナがあり、吹きさらしながらストレージを直接ぶっこめる口が用意されていて、そもそも外部への漏洩を推奨しているかのような親切設計。

 そして暗号化されている気配もない。皇帝の脇の甘さが帝国全土に見事に浸透しています。

惑星破壊表現

 デス・スターの惑星破壊表現は秀逸でした。フルパワーで撃つとオルデランみたいに一瞬で粉々になっちゃうので地上にカメラがあるシーンだと絵にならない。そこで(テストなので)リアクターを1基にけちって撃つことで、核爆発のような衝撃波が広がる様子を描き、迫力と恐怖を表現していました。

 レーザーを撃つまでの手順が多いのも相変わらず、というかそのまんま再現されてました。

入浴シーンあり

 期待のベイダー卿は予想より登場シーン多め。これはサプライズです。最初はなぜかムスタファーっぽいところにいらっしゃいます。あんなことがあったら溶岩や火山のある勤務地は避けそうなものだけど、彼はやはりドMなんだろうか。ルークがエピソード5で入っていた治療用浴槽のようにみえるでっかい装置に、素っ裸で入っている誰得なサービスシーンは必要性がまったくわかりませんでした。

完璧にエピソード4につながるエンディング

 歴史の埋もれた影の功労者たちを描いているため、新キャラクターたちには漏れなく衝撃の結末が用意されています。とりあえず後でどうとでも続けられるようにまとめられる作品が溢れている昨今、この点はとっても潔いと思いました。すがすがしくて美しいです。

 映画自体は、エピソード4の冒頭シーンに1秒の隙間もなく繋がるように終わります。緊張の連続だった本編から解放されたところで白い船内が映り、徐々に懐かしいシーンへと繋がっていく予感で、おおっと一気に浮足立ちます。

 そこにさらに、ベイダー卿のはつらつとした戦闘シーンが詰め込まれて、ライトセーバー戦禁断症状になっているファンもお腹いっぱいになるよう、もう無理やり仕向けられます。

 タイトル通り、スターウォーズの物語としてしか成立しえない割り切った作品になっているので、単独の映画作品としての評価は正直厳しくならざるを得ないと感じています。しかしキャラクター配置やサービス精神に、ビジネスではなくファンフィルムのようにも感じられる暖かさ、ゆるさがあるところが、ルーカス監督が今作を絶賛した所以なのかもしれません。

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